更新日:2014年11月18日
新地方公会計制度とは、現金主義・単式簿記による現行の地方公共団体の会計制度(一般会計のようないわゆる官庁会計方式)に加え、発生主義・複式簿記の考え方を取り入れた財務書類を作成して地方公共団体の財政状況を開示するとともに、資産・債務の適正な管理とその有効活用といった地方公共団体の内部管理の強化を図る取り組みのことです。
具体的には、現行の官庁会計方式による決算書類に加えて、新たに新地方公会計制度による財務書類(貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書)を作成し、公表するものです。(なお、現行の決算書類は、地方自治法等に基づいて作成しますが、新地方公会計制度による財務書類については作成を義務付ける法律上の規定はありません。)
現金主義・単式簿記による現行の地方公共団体の決算書類は、現金の収入と支出を記帳の基準として作成しますが、発生主義・複式簿記の視点からは次のような指摘があります。
新地方公会計は、発生主義・複式簿記の考え方を取り入れた財務書類の導入により現金主義による会計処理を補完し、また、公社等の連結による全体的な財政状況を開示するもので、コスト分析や財政評価への活用、資産・債務改革への対応を目指すものです。
財務書類4表とは、貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書の4つの表をさします。各表の概要は次のとおりです。
貸借対照表とは、自治体が住民に行政サービスを提供するために保有している財産(「資産」)を、どのような財源で(「負債」及び「純資産」)蓄積してきたかを総括的に対照表示した財務書類です。年度末における資産、負債及び純資産のストック情報です。
資産には、自治体が住民サービスを提供するために使用するものと、将来、自治体に資金流入をもたらすものがあります。固定資産の表示について、総務省方式改訂モデルでは、生活インフラ・国土保全、教育、福祉など行政目的別に表示します。一方、基準モデルでは、土地、建物などの形態別に表示します。
負債とは将来支払わなければならないもので、支払い義務の履行により自治体から資金流出をもたらします。計上される主なものには地方債があります。公共資産など住民サービスを提供するための財産の財源とみた場合、将来世代が負担する部分とみることができます。
純資産とは、資産と負債の差額です。負債同様に、住民サービスを提供するための財産の財源とみた場合、現在までの世代が負担した部分といえます。
なお、貸借対照表は、資産の合計額と、負債・純資産合計額が一致し、左右が一致していることから「バランスシート」とも呼ばれます。
行政コスト計算書とは、4月1日から翌年3月31日までの1年間の行政活動のうち、福祉事業やごみの収集といった資産形成に結びつかない行政サービスの直接の対価として得られる財源を対比させることにより、行政コスト合計から直接の受益者負担を除き、町税や地方交付税、国県支出金で賄われたコスト(純経常行政コスト)がどれだけかを把握する財務書類です。
財務省方式改訂モデルの行政コスト計算書は、性質別区分と行政目的別区分のマトリックス(縦横の表)形式で表示されているため、教育や福祉といったそれぞれの行政目的に対して、人件費や物件費など、どのような性質のコストが発生し、どのくらいの受益者負担となっていることができます。行政目的別区分の表示は「財務省方式改訂モデル」の特徴です。
純資産変動計算書とは、貸借対照表の純資産の部に計上されている各数値が1年間でどのように変動したかを表わしている計算書です。
純資産の部は、計上された資産について現在までの世代が負担してきた財源であるため、当該会計期間1年間で、現在までの世代が負担してきた財源がどの程度増えたのか、あるいは減ったのかがわかります。
純資産変動計算書は、企業会計の決算書類にはない、新地方公会計における独自の財務書類です。
資金収支計算書とは、資金の流れを「経常的収支の部」、「公共資産整備収支の部」及び「投資・財務的収支の部」の3つの区分に分けて、それぞれの部の支出と収入を表示した財務書類です。
公共資産整備の規模とその財源、投資及び財務的な資金の収支、その他の経常的な行政経費と収入を区分して計上し、どの区分の活動に資金を使用し、それをどのように賄ったかを読み取ることができます。
資金収支計算書は、新地方公会計の財務書類4表の中で、唯一、現金収支を基準とする現金主義の財務書類です。
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