町内のジオサイト(伊豆半島ジオパーク)

更新日:2024年03月01日

ページID : 3716

本州で唯一、フィリピン海プレートの上にのっている伊豆半島は、かつては南洋にあった火山島や海底火山の集まりで、プレートの北上に伴い火山活動を繰り返しながら本州に衝突し誕生しました。この半島では、現在も火山活動や地殻変動が続いており、これによって豊かな温泉や日本一深い駿河湾、変化に富んだ地形をもつ魅力的な半島が作られています。伊豆半島ジオパークは伊豆半島にある15市町、100か所を超えるジオサイトで構成されています(2023年9月現在)

伊豆半島の成り立ち

伊豆半島の歴史は地層などの証拠などによって約2000万年前までたどることができます。
約2000万年前、伊豆は本州から数百キロメートル南、現在の硫黄島付近の緯度にあった海底火山群でした。フィリピン海プレートの上にできた海底火山や火山島はプレートとともに北に移動し、やがて本州に衝突して現在のような半島の形になりました。約60万年前のできごとです。
半島となってから約20万年前までは、陸上のあちらこちらで噴火が起き、天城山や達磨山といった現在の伊豆の骨格を形づくる大型の火山ができました。
これらの大型火山の活動が終わると、日本には数少ない単成火山群の活動がはじまり、現在は「伊豆東部火山群」として活火山のひとつとなっています。また、プレートの動きは現在も伊豆の大地を本州に押し込み続けていて、地殻変動によりさまざまな地形を作っています。
こうした二重三重の地質学的特異性が、多くの美しい景観や温泉を有する伊豆半島を形成しています。伊豆半島は、世界のどこを探しても同種の例を見ない、地球上の特異点とも言える場所となっているのです。

ジオサイト

ジオサイトを巡ることでプレート運動に伴う海底火山から陸上火山への移り変わりを実感することができます。
函南町内には次の7か所のジオサイトがあります。

(1)丹那断層公園

1930年に起きた北伊豆地震によって生じた断層のずれが保存されています。左横ずれ断層の活動により、当時の水路が断層に沿って2m程度ずれてしまっている様子がよくわかります。また、地層のずれを観察できる観察施設でも断層の動きを実感することができます。

(2)火雷神社

1930年に丹那断層で発生した北伊豆地震(M7.3・震度7)によって、神社の石段と鳥居の間に約1mの横ずれが生じました。

神社境内に生じたこの「ずれ」は町の天然記念物として保存され、現在も観察できます。

また、タブノキ・カエデ・ヒノキ・オガタマノキ等からなる神社の森も町の天然記念物に指定されています。

特に静岡県内第2位の巨木ともいわれるタブノキは見事です。

(3)柏谷横穴群

箱根火山が約6万年前に噴火し たときの火砕流がつくった台地に、 古墳時代の人々が掘った横穴遺跡 群(国指定史跡)を見ることができます。古墳時代の6世紀末頃から掘られ、奈良時代(8世紀)まで活用されていました。

(4)酪農王国オラッチェ

「作る人と食す人が触れ合う空間」を 目指して作られ、丹那盆地で営まれてい る酪農に気軽に触れることができます。 チーズや地ビールの製造工程見学、乳搾りやバター作りの体験などができるほ か、新鮮な乳製品が購入可能です。

(5)十国峠からの眺望

十国峠は伊豆と本州の衝突以降にできた湯河原火山という古い火山の一部です。

その名が示す通り眺めのよい峠からは、10の「国」だけでなく、地球の表面を覆う「プレート」のうち、4つのプレートも見渡すことができます。

遠く伊豆諸島の島々も見え、伊豆半島の成り立ちを物語るさまざまな地形を一望できます。

(6)西丹那駐車場からの眺望

伊豆スカイラインから丹那盆地に緩やかに下る多賀火山の斜面は、丹那断層の位置で一度持ち上げられ、再び緩やかに下っている様子がわかります。直線的な谷は、箱根火山付近までのび、そこから先は見えなくなっていて、箱根火山噴出物の下に隠されていると考えられています。

(7)軽井沢

数十万年前から繰り返し断層ずれを起こしている丹那断層です。これによって、合計で縦に約100m、横に約1km も大地がずれ、十国峠や熱海峠付近 から流れていた川の流れが変わってしまった跡が軽井沢に残されています。スケールの大きなジオサイトのため、現地で実感することはできませんが、丹那断層公園に設置されているジオラマや地図などで確認することができます。

備考

伊豆半島ジオパークの函南エリアについて紹介するパンフレット「かんなみ~る(伊豆半島ジオパーク函南エリアガイド)」で、ドライブモデルコースや各ジオポイントの所在地図なども掲載していますのでぜひご覧ください。

伊豆半島にはたくさんのジオサイト・ジオポイントがあり、その場所ごとの魅力があります。伊豆半島ジオパークについて詳しくは伊豆半島ジオパークホームページをご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ先

函南町役場 建設経済部 産業振興課 観光係
〒419-0192 静岡県田方郡函南町平井717番地の13
電話番号:055-979-8173
ファックス番号:055-978-3027
この担当課にメールを送る
この情報はお役に立ちましたか?

お寄せいただいた評価はサイト運営の参考といたします。

このページの情報は役に立ちましたか?
このページの情報は見つけやすかったですか?
このページの情報はわかりやすかったですか?