函南町風水害の歴史

箱根山系に大雨を降らせ、堤防被害1,000メートル、流失橋梁19、死者1名等の被害を生じた。

伊豆半島南端を北上した台風は、天城方面に大雨を降らせ湯ケ島で総雨量753ミリメートルに達し、狩野川流域一帯に大水害を及ぼし、町平坦部水田にも未曾有の被害を及ぼした。家屋の全壊・流失10棟、死者2名・重軽傷者53名の被害を生じた。

紀伊半島南部に上陸し、岐阜付近を通り高田の西方を経て秋田沖に去った。

最大風速は御前崎南南西秒速35.6メートル、石廊崎南西秒速29.2メートル、浜松南南東秒速26.4メートルで雨量は山岳方面で1時間雨量は30から35ミリメートルに達し、大井川、天竜川中流域で200から350ミリメートルでかなりの損害を生じた。

九州南海上を北東に進んだ低気圧は発達しながら太平洋ぞいに伊豆南端を通過した。

狩野川台風と同様伊豆地方に大雨を降らせ雨量は200から300ミリメートルに達し、当町では大洪水となり大被害を受けた。床上浸水は、1,500棟に及んだ。

伊良湖付近を通り長野県へ進んだ台風は、山間部で強く雨を降らせ、1時間雨量で30から50ミリメートル、大井川上流で200から250ミリメートルを記録したが、平野部では総雨量30から50ミリメートル程度であった。風速は、御前崎南西で最大風速秒速30.3メートルを記録した。

御前崎の西に上陸し、進路を北北東に変えて梅ケ島付近を通って本州を縦断し三陸沖へぬけた。

御前崎で最大瞬間風速東北東秒速50.5メートル、静岡で秒速40メートル、三島で秒速42メートル、雨量は御前崎で1時間63.6ミリメートル、天城や山間部では200から400ミリメートルとなり相当の被害を生じた。

台風は九州大隅半島に上陸後進路を北東に転じ、次第に衰えながら四国の土佐湾から淡路島付近、志摩半島、静岡県南岸を通り房総沖に去った。静岡県南岸を通過するときは、985ヘクトパスカルとなったため、風の被害は少なかったが、雨量は150から300ミリメートルで多い所では400ミリメートルとなったため被害をかなり生じた。

台風は、沖縄西方海上で中心示度945ヘクトパスカルの大型台風に発達し、その後進路を北から北北東に変えて、勢力を弱めながら速度をやや速めて対馬海峡を通過して日本海に入った。その後、日本海を東進し停滞していた梅雨前線は静岡県を通過しはじめ、この前線は天竜、静岡、三島を結ぶ東西にのびた経路をとったため、この線上の各地では記録的な大雨となった。

雨量は1時間50から70ミリメートルの強雨が継続し、わずか7時間の短時間に444ミリメートルを観測し24時間降水量は508ミリメートルとなり各地に山、崖崩れ、河川洪水による浸水などの被害が続出した。

平成10年8月30日台風4号から流れ込む湿った空気により、停滞していた前線が刺激され、未明から激しい豪雨に見舞われた。

来光川上流の静岡県桑原雨量観測所における総雨量は280ミリメートルであり、特に午前7時から9時までの2時間で127ミリメートルの降雨を記録した。また、柿沢川上流の静岡県丹那雨量観測所における総雨量は288ミリメートルであり、特に午前7時から9時までの2時間で111ミリメートルの降雨を記録した。

この豪雨により、来光川・柿沢川及び函南観音川が氾濫して畑毛、間宮、柿沢台等平坦地域では、床上浸水264棟、床下浸水298棟の浸水被害が生じた。また、丹那、畑、桑原等の山間地域では、土砂崩壊により、全壊家屋25棟、半損壊家屋24棟の被害や、道路、河川、農地及び林野等崩壊個所が400個所を超える被害が発生した。人的被害では、熱函道路通行中の車両が土砂崩壊に巻き込まれて、2名の犠牲者があり、また、住家裏山等の土砂崩れにより2名の負傷者を出すなど、当町にとって未曾有の災害に見舞われた。

気象庁は台風19号について、昭和33年の狩野川台風に匹敵する記録的な大雨となるおそれがあると発表した。

台風は、10月12日の夕方から夜にかけて非常に強い勢力を保ったまま東海地方へ接近し、伊豆半島に上陸後、東日本を中心に広い範囲で記録的な大雨をもたらした。

県内では、中部から伊豆地方にかけて猛烈な雨となり、伊豆市湯ヶ島観測所では降り始めからの総降水量760ミリメートルを記録した。また、河川の増水により、狩野川本川（清水町徳倉水位観測所）で氾濫危険水位を超過した。

町内では全壊4棟、半壊3棟、一部損壊77棟、床上浸水372棟、床下浸水137棟の被害のほか、土砂災害による道路崩落や県企業局の送水管破断などの被害も生じた。